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2007年12月13日 (木)

植物エネルギー 第132話 ~漢方 「気」を補う六君子湯と鍋料理~

 さて「気」という考え方、長いブログばかりでしたが、なんとなくでもイメージを作っていただけたのではないかと思っています。今日は・・・口から「気」を補う、取り入れるお話です。

 西洋医学では「悪いものの原因を見つけて、排除する、削る、正す」という考え方が基本です(例えば癌の原因は○○だから××を使って・・・手術するとか薬でやつけるとか)。もちろんこの方法論、考え方でうまくいくことも多々あるでしょうが、当然全てが成功するわけでもありません。最先端の科学も大切ですが、身近な植物たちの力をいただいて病気予防。このことも忘れてはいけません。

 漢方には別な考え方があります。「足りないモノを補う。」。これが西洋医学とは決定的に違う考え方なんです。「気(き)」、「血(けつ)」が足りなければそれを補う。ということです。

 そもそも日本人は、その国土が海で囲まれ、高温多湿な上、水を多飲する世界中でも非常に稀な民族なのです。だから、日本人の多くの人(70%くらい)が、漢方で言うところの湿邪に入り込まれています。湿邪が身体に入り込むと先ずは、胃腸が冷える腸の働きが弱くなるせっかく食べても一番大切な「気(エネルギー)」を練ることができない冷え性他の邪(寒邪、風邪)が進入し易くなる。西洋医学的に言えば抗病反応の低下、あるいは自己免疫能力の低下ということになります。例えば、暑い夏でも暖かい饂飩が好き、とか、真夏でも厚着をしたり、靴下を履かないと寒くて眠れない。そんな方に多いのです。逆に、真冬でもT-シャツ一枚でも大丈夫。分厚いセーターなどは必要ないとか、真冬でも暖かい「饂飩などとんでもない」。冷たいざる蕎麦が大好きという方はその対極に位置する体質です。ちなみに個人的な事で恐縮ですが、私自身は2年前までは典型的な後者のタイプでした。自分の証に合わせて、18種類の生薬が配されている防風通聖散(いずれお話しましょう)という漢方薬で余分なだまっていてもあふれ出てくるエネルギー、いらない「気」を削り、香蘇散で全身の「気」のめぐりを良くすることによって、今では饂飩が美味しいと感じるようになりました。
 例えば、冷え性な方の便秘などは西洋薬で一時的に治っても、根本的に直すことができません。それは胃腸から身体全体を動かす「気(エネルギー)」が慢性的に欠乏している状態だからです。だから先ず胃腸を暖め「気」を練るところから始めます。胃腸を暖め「気」を練って、それを全身に巡らせる代表的な漢方処方は六君子湯(りっくんしとう)です。

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 この漢方処方に入っている植物(生薬)は人参(にんじん)、白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、半夏(はんげ)、陳皮(ちんぴ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、大棗(たいそう)の8つです。人参は俗に言う朝鮮人参、陳皮は温州みかんの皮、大棗は棗(なつめ)の実、生姜は生姜(しょうが)のことです。もちろん8つのうち、どれか1つが欠けても効かなくなります。それぞれの生薬の効能については図を参照してください。薬用植物園にも人参、白朮、半夏、甘草があります。来年ぜひ見に来てください。

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 もちろん、漢方薬以外にも身体を温めるモノはたくさんあります。冬に身体を温める料理といえば・・・やはり旬の食材を使った「野菜のたっぷり入った鍋料理」でしょう。色々な食材の入った鍋料理。漢方薬に似ていると思いませんか?土鍋(漢方薬は土瓶)でグツグツ煮込んで食べる・・・健常人向けには漢方薬を煎じて飲むよりもやはりこちらの方がうれしいですね。塩分控えめにしたい人は寄せ鍋よりもちり鍋がお勧めです。ステキなポン酢醤油・・・これもまた良しです。ミカン科の柑橘系果物は全て気のめぐりを良くしてくれる理気薬ですし、酸味は肝臓の「気」を調えてくれますから、怒りっぽい人に適しているかもしれません。なんと言っても鍋料理は「気」の合った人同士で食べる料理です。いつも笑顔がありますから、「気」のめぐりも上々ってことで、免疫力もアップです。笑いや、心からの笑顔はNK細胞などをアクティブにさせることは最新の科学で証明されていることでもあります。お酒の飲み過ぎ以外には欠点の見当たらない日本人固有の薬膳料理と言えるかもしれません。
 ところで、お鍋料理に欠かせぬ旬の野菜。そのお花なんてご覧になったことなどあるでしょうか?これから何回かに分かて、野菜のお花を紹介したいと思います。先ずは、お鍋の中に欠かすことのできない白菜と春菊です。野菜たちのステキなお花をイメージして鍋料理を食べると、効能効果も倍増間違いない!そんな気がします。年末にかけてお酒を飲む機会も多くなるとは思いますが、皆様どうかご自愛下さいませ。

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