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2008年1月20日 (日)

植物エネルギー 第147話 ~ 植物写真集&エッセイ 『植物エネルギー(仮題)』 ~

 北海道新聞社から出版される植物写真集&エッセイ『植物エネルギー』(仮題)についてのご案内です。

 1月18日(金曜日)に執筆原稿と使用する全ての写真の原版(スライドフィルムのこと)を編集者に渡してきました。執筆者としては、大満足の仕上がりになりました。128ページに中に北海道医療大学・北方系生態観察園内の植物たちの写真と前向き農家の栽培した野菜の花の写真が266カットも入っています。当初の予定からどんどん離れて、編集者、デザイナーさん、私のスタッフの4人の波長がどんどん増幅してしまった感があります。本のタイトルも『植物エネルギー』(月曜日の会議で決まるそうです)になりそうな勢い。びっくり!デス。植物エネルギーという言葉は2年前に富士フィルムフォトサロンで開催した写真展のタイトルです。こんな写真展はもう2度とできないかもしれないと思い、10ヶ月も考えて、ある日突然私の口から飛び出した言葉なんです。それ以来『植物エネルギー』という言葉を大切にしようと・・・。漢方で最も大切な『気』と同じ概念だと思っています。

 今のところ、定価は1500円、2月21日発売予定です。2月21日は新札幌のサンピアザ、光の広場で『植物エネルギー 2008』の初日です。そばには紀伊国屋書店もあり、たぶんここでも販売すると思いますのでよろしくお願いします。

 さて、この本の巻頭は私の大好きなエゾエンゴサク、カタクリ、オオカメノキ、エゾノリュウキンカの色々なステージの写真がダイジェストで掲載されています。

 例えばエゾエンゴサク。ここにお見せした写真は何百点もの中から選ばれた写真ですが、本の中に掲載されている写真はさらにこの中からさらに厳選されたものなんです。で、せっかくですから、選ばれなかった写真もいっしょにご覧になって下さい。

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 まだ、果実の段階の写真もあるのですが・・・

 とにかく、これ全部北方系生態観察園のエゾエンゴサクなんです。10年間、園内の笹刈りを続けてきた結果生まれたきた命です。まだまだ撮ってあげていないエゾエンゴサクくんもたくさんいます。北方系生態観察園全部のエゾエンゴサクくんを撮ってあげるつもりでいるので、私の撮影は一生続くのでしょう(笑)。

 本の巻頭は植物たちの写真がダイジェストで続きます。で、「はじめに」を自分で書こうと思い書き始めたのですが・・・なにせ、北方系生態観察園に関しては特別な思い、こだわりなどがいっぱいあって、全部書きたくなって、熱苦しい文章になってしまいました。なので、「はじめに」・・は・・・私のスタッフが、私のブログなどに書いている長い文章などをアレンジして、非常にコンパクトな文章で書いてくれました。

 「はじめに」をブログをご覧になってくださる方にご覧になっていただきますね。

はじめに
 前日の雨が大気中の塵を洗い流し、地球全体がまるで生まれたてのように新鮮でみずみずしい早朝、私は澄みきった空気を胸いっぱいに吸い込んで、カメラを肩にかけ、愛する植物たちに会いに行きます。私にとって特別なその場所は、西向きの斜面になっているため、地平線から顔を出したばかりの太陽の光はまだ届かず、辺りは神聖な薄闇に包まれています。私は宇宙の一部になったような静かで厳かな気持ちで、太陽が昇ってくるのを待ちます。やがて、最初の光が森に差し込みます。それは祝福の光のように、全ての植物たちに遍く生命の色を吹き込みます。写真を撮ることも忘れて、私はしばしその光景に見入ります。
 朝の光は特別です。朝の光を浴びた朝の植物にもまた特別な力があります。
 
 約十二年前まで私はこの世界の素晴らしさを知りませんでした。一日のほとんどを有機化学という分野の研究に捧げ、その狭い世界で人に勝つこと、自分に負けないことだけを考えて、わき目も振らず疾走するように生きていました。
 運命の女神が私をその道から引き離し、自然の中へ連れ戻してくれました。ずっと忘れていましたが、私の子供の頃からの夢は、国立公園の山小屋の管理人のような、一日中大自然と一緒にいられる仕事に就くことだったのです。
 生薬学教室の助教授と言う新しい職をいただいたからには、とにかく一通りの植物の名前を知っていなければいけないと思った私は、毎日森へ行き、そこにいる全ての植物たちの名前を調べて覚える修行を始めました。初めはなかなか覚えられずに苦労しました。教えてもらったり、図鑑を調べたりして名前が分かっても、三歩歩くともう忘れている自分にいらだちました。オオカメノキという植物の名前を初めて知ったときは、「俺の今まで知っていたカメは六角形をしたベンゼン環だったのに、おまえはなんてきれいな花なんだ。」と、何ともいえない感慨を抱いて涙が出ました。涙は心に溜まった毒を洗い流してくれます。オオカメノキは最初に出会った私の心のくすりでした。
 写真を撮り始めたのは、最初はただ植物の名前を覚えるためでした。ところがファインダーを通して植物を見つめるうちに、植物さんのエネルギーが私の中に流れ込んできたのです。
 私が季節によっては毎日出かける撮影フィールドは北方系生態観察園という場所で、私が勤める大学の中にあります。この観察園は私自身が計画立案し、完成のために奔走した私にとって思い入れの深い場所です。笹刈りなどの整備も行っています。自分が笹を刈った場所に、翌年カタクリの花が咲き乱れるのを見るのは、えもいわれぬ喜びです。もはやカタクリは植物のカタクリではなく、一人ひとりが私の子供であり、個性を持った「片栗さん」です。もちろん森の中の他の全ての植物さんたちも同じです。そんな愛おしい植物さんたちの芽出しから枯れるまでの一生を撮ってあげたい。ただその一心で、私は春、夏、秋、冬と、一年を通してこの森に入り、写真を撮り続けてきました。
 植物さんたちの写真を撮るとき、私は「自分を撮って欲しい」と呼びかけている植物さんを探します。そして、植物さんとファインダーを通して会話をします。その時、きっと、私は森と一体になっているのだと思います。
 気がつくと、長年患った持病も消え、身体もスリムになり、心身ともに健康になっていました。
 私を健康体に戻してくれたこの力を、私は植物エネルギーと名づけます。
 この植物エネルギーを説明することは、科学や西洋医学では不可能です。科学はただ一つの原因によって起こる現象を説明することは得意ですが、世の中に原因がただ一つしかない現象なんてめったにありません。良いこと、素晴らしいことは、様々な要因が霊妙な技によって組み合わさって起こるのです。私はそれまでの西洋的な科学の研究に見切りをつけ、漢方の勉強を始めました。
 漢方の最も大切な概念に「気」というものがあります。「気」とは生命の源。人間が生きていくための根源的なエネルギーのことです。
 私はここ数年間の勉強と実体験により、地球上に生きている植物全て(野菜、果物、穀類、山野草、雑草)が、漢方で言う「気」そのものだという考えに至りました。「地球上から植物がなくなったらあらゆる有機生命体が絶滅する」これは科学で証明するまでもない絶対的な真理です。今、人間の限度を知らない欲によって、地球上から植物がものすごいスピードで減っています。これは地球全体の「気」が減少し、地球そのものが病んでいくことを意味します。病んでいく地球に病んだ人が増えていくのは当然のことです。
 植物さんと出会う前は、人類は地球上にはびこる悪性のウイルスかガン細胞なのではないか、人類が滅びた方が地球のためではないか、などと悲観的なことを考えた時期もありました。しかし、今は違います。植物さんが地球のために大切な役割を果たしている以上、それを利用している私たち人類もまた地球に対して素敵な役割を持って生を受けているはずだと思っています。
 国、言語、宗教の違いを超えて、地球上の全ての人にとって等しく重要で、心の中に愛を生むことができる可能性のあるもの。それが「植物」だと思います。身近な植物に目を向ける人が増え、植物を愛する人が増えれば、人類全体の心が豊かになり、想像力が養われ、自分さえよければよいという考えが減って、植物が増え、環境が良くなり、世界が平和になる、そんな良い循環が生まれることを期待しています。この本が多くの人に植物エネルギーの素晴らしさを伝え、良い循環を作り出すきっかけになることを祈っています。
 本書には、写真から植物エネルギーが伝わるように、植物たちの輝く瞬間を捉えた写真をたくさん掲載し、植物を見るときの見方、「気」の取り入れ方(効能・食べ方も含めて)を漢方の考え方をベースに解説しています。

 なんか今は出会った全ての事、人、物に感謝している自分がいます。「いらないモノは何一つ無い。森の神様すばらしい植物たちに会わせてくれるために修行させてくれた」と思えます。で、今は感謝しているだけではすまない自分もいて、この感謝の気持ちを誰に、どこにかに返していこうと思っています。私が植物たちからいただいた「気」をすてきになろうとする人、モノに巡ってもらってこそ!ですよね(笑)。

 

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