植物エネルギー 第686話 ~ 青森県の植物エネルギーもすばらしい! 十和田湖周辺&八甲田山系奥深く! ~
最後に、厚目内農園の長崎社長と行った2日間の植物調査をダイジェストで!
北海道とは決定的番う2点については最後に述べましょう。
では早速!
先ずは黒石市周辺の里山から・・・。社長に言わせると、前菜にもなっていないそうな(笑)。
杉の林の林床からです。
私の常識では針葉樹林(常緑)の林床にはあまり植物はいないことになっているのですが・・・。社長曰く、「それは一般論だろ!違う所は山ほどある」のだそうで・・・。恐れ入りました。
トチバニンジンさん(下左)や、コシアブラくん(下右)がそこら中にいました。
ルイヨウショウマくん(下左)にヒトリシズカくん(下右)までいました。
その他にも大きなエンレイソウさん(青味)、ユキザサさん、シキミの仲間などがびっしりいました。
皆さんこの一番上の写真を見て何か気付いたことは、ありませんか?
お次はここ!
ちょいと藪の中に入った湿地帯に行けば・・・ミツガシワさんの大群落です。社長は今朝ここで、フイリのミツガシワを見つけていました。
そして、少し見づらいかもしれませんが・・・、ミズトクサくんの大群。
他にもたーくさんいたんですが、フィルムの方に写っています。
で、一度ご自宅に戻って、こんどは十和田湖周辺の山林へ!カタクリさんの大群落の場所もあったのですが、写真に撮ってきませんでした。
さらに、ブナ林の中へ!
ブナは広葉樹なので、そこの林床にはどんなに色々な植物がいるのだろうと胸をはずませながら行ったのです。ここです。
社長の後に続きます。
何がいるのかなあ~・・・・
で・・・、何もいませんでしたの巻(笑)。オオカメノキさんとアオキの実生くらでした。これって!
そうなんですねえ~。ブナは葉っぱさんが密集しているので、林床に光が差さないのですね。驚きました。まあ実際にブナ林へ行ったのことは、北海道で黒松内だけでしたから、本物ではないし、北海道のそれは、林床が笹で覆われてますのでね(笑)。笹1つない・・・ステキな林床ですが、光も差さないということです。
ということで、今度は秋田県に入って十和田湖へ抜けました。
で、十和田湖です。
ここではこんなのが・・
ニリンソウさんのようなのですが・・・、ひょろっとしてます。雪が深いせいかもしれませんね。
さらに!
これはいったい?
スグリの仲間にも似ているように思えるのですが・・・、どなたか分かりませんか?
で、奥入瀬渓流に入ります。
すばらしい、緑の光です。雨が降っていてもこんなんです。
両サイドはこれ!
渓流!
そして滝!
奥入瀬渓流から八甲田山系へ!
ここは峠のトップ。両サイドは雪です。まだ50cmはあるでしょうか。今にも雪が降りだしそう!風は強く、雨もひどい!目をこらすと、小さなミズバショウくん、ショウジョウバカマさん、ヒメシャクナゲさん、ミツバオウレンさんがいました。
八甲田山系から黒石市方面へ抜けます(実際の道は不明です(笑))。
途中にこんな場所が!
100メートル以上はあるでしょうね(汗)。橋の上からですが、風速20メートルくらいの風が!
ここを通り過ぎると小さな滝が!
上の写真の右側は植物たちの宝庫でした。キクザキイチゲさん(紫)やオオバキスミレさんなど・・・様々です。
さらに!
ムラサキヤシオくんが満開で、お隣にはオオカメノキさん、で、右側にはコブシの花の競演です。すばらしい!
こんな場所が無数にあるんですよ。
黒石市に戻ってきました。雲の合間から岩木山が見えています。26日は、朝10時から夕方5時半まで。
で、最終日27日は朝8時半から夕方3時まで、びっしりです。やはり八甲田山系の北側??だったかしら?
行きます。
1週間前までは1メートルほどの積雪があったそうです。スペシャルについてます。
沢登りです。すべる!
でも、この両サイドはすばらしいシラネアオイさんとサンカヨウさんの大群落。オオバキスミレちゃん、スミレサイシンちゃんもいました。
実は、サンカヨウさんのすばらしい写真、作品が撮れたとと思うんですよね(笑)。白いお花が透明になったあれ!あれです。3箇所くらいで発見です。
ここの左側は切り立った崖。20メートルくらいはあるでしょう。行きます。そうそうこの辺りでステキなイワナシくんのもいました。
林道とはいっても、落石あり、深いわだちありの道を行きました。
最後はこれ!
ミズバショウくんの大大群落です。
まるで、旭岳温泉のロープウェイの下辺りに来た感じですね。
手付かずの自然。これって、青森県の財産です。都会で疲れている人たちが一番欲しているものだということに気付いて欲しいな。
最後です。北海道と大きく異なる点です。先ずは、笹の進入していない森、山がたくさん残っている。これは、植物たちも住みやすい環境ですが、景観も全く別種です。そんな里山もたーくさんありました。すばらしい!
あと・・・2番目は、エゾシカがいないので、植物たちが豊富です。エゾシカはね、北海道の野生の植物たちにとって、一番ヒドイことをしてるんですよ。集団で食べちゃうのだから。襟裳岬が最もヒドイかもですね。見目がかわいいからと言って、ヒグマよりも大切にされるのって、どうなんでしょうね。北海道の自然は、人間とエゾシカによってダブルで破壊されているんですね。北海道人たちも気付くほうがいいな。大切なものは無くなってから気付いても遅いのです。あらためて、これに今回気が付きました。
青森県の林床はすばらしいです。建設業も大切でしょうが、ぜひ建設業さんたちが持っている山を調べてみて欲しいですね。コシアブラくんなんかはとても身体に良い薬草です。その林床にクキザサさんやウドなんかを自然に増えるようにしていけば、とてもすばらしいことになると思いました。なんてたって、山菜に規格品はないのですから。それにフランス料理店、エビエの佐藤シェフの熱意、厚目内農園の方たち、県庁の方たちの智恵を合わせていけばきっとステキなイベントになるはずです。
北海道も負けてられんなあ~(笑)。
あと最後に長崎社長が、植物の「レッドデータ」って何なんだ?とも。「あのリストに載っているものの中で、かなりのものは山の中にいるよ」だそうで、恐れ入りました。ですね(笑)。分類学者さんも色々見ているのかもしれませんが、それ以上に色々な場所を見ている人がいるんですね。これまたサプライズでした。
長崎社長は、「クrマユリ」が早晩無くなる一番手だそうです。あれってレッドデータに載ってたっけ?
でも、確かに、あいつは群れて咲かないからなあ~・・・。北方系生態観察園のクルマユリさんは大切にしようっと!
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コメント
この度は、堀田先生に大変熱心に取り組んでいただき、青森県にとっても、また、私個人としても非常に有意義な企画となりましたことを心より感謝申し上げます。
薬草を活用したビジネス展開も大切ですが、なにより薬草から元気がもらえること、さらには、本県はそうした植物が大変豊かな環境であることを教えていただきました。
今後も薬草を有効に活用していけるようプロジェクトメンバー一同鋭意取り組んでまいりますので、宜しくご指導お願いいたします。
本当にありがとうございました。
投稿: 青森県Oさん | 2010年5月28日 (金) 17時10分
どういたしまして。私の方こそ青森県から勇気と元気をいただきました。走り出したら一心不乱なんで、行き過ぎがありましたら、遠慮せず言ってくださいね。
投稿: 元気の種 | 2010年5月28日 (金) 21時27分