久しぶりに北海道医療大学・北方系生態観察園の植物たちの紹介です。
今日はユリ科の延齢草(エンレイソウ)くんです。
学名(ラテン語名、世界中どこでも通用する名前)はTrillium(トリリウム) apetalon(アペタロン)と言います。Trillium(トリリウム)は各部、特に葉が3枚あることからついた名です。Triとは3のことです。apetalon(アペタロン)は花弁のないという意味です。延齢草くんには花弁は無く、花のように見えるのは、実はガク片なんです。ちなみに白い花を持つオオバナノエンレイソウくんやミヤマエンレイソウくんには花弁はちゃんとあります。
延齢草くんは種間交雑が激しく、北海道だけでも。アカミノエンレイソウ、クロミノエンレイソウ、アオミノエンレイソウ(ここまでは北方系生態観察園に自生しています)、ヒダカエンレイソウ、トカチエンレイソウ、コジマエンレイソウ、トイシエンレイソウと色々あります。
日本名の延齢草(エンレイソウ)くんの由来は2説あるそうです(野草の名前 春、山と渓谷社)。
1つめは、アイヌ語からきたという説。”エマウリ”と延齢草のことを呼んでいたのが、エムリ → エムレ → エンレイと変化したという説。
2つめは、この植物はもともと薬用植物として使われており、その薬用部分は根茎で、延齢草根として知られています。牧野和漢薬用植物図鑑(北隆館)にちゃんと掲載されています。中国では民間薬として、高血圧、神経衰弱、胃腸薬として使われいたこともあり、そのことから、名前がエンレイソウになったという説。
また、「アイヌと植物」(福岡イト子著)には、「延齢草の名は、(芽吹いてから花が咲くまで15年もかかり、長生きをしなければ花にまみえることなし)に因る」とも書かれており、イモのような根の根の年輪を数えると、何年生きたか識別できるといいます。
いずれにしても、漢字名はとても縁起の良い名であることは間違いありません。
で、北方系生態観察園内に自生する延齢草くんをご覧になって下さい。おそらく全てアカミノエンレイソウくんだと思います。
では芽出しから・・・
いやはや一口に延齢草くんの芽出しと言っても様々ですよね(笑)。芽出しは、日当たりの良い場所なら4月上旬から始まります。
枯れ葉をコートのように着込んだ芽出し・・・寒がり屋さんなのでしょうか・・・
春のお日様は日ごとにどんどん高くなっていきます。芽出しが始まると・・・あっという間に・・・蕾(花に見えるのはガク片なので・・・正確には蕾とは言わないのでしょうね)になって・・・下の写真左はなんかファインダーを覗いていても、思わず吹き出してしまいそうなくらい滑稽な姿ですよね。
こんな花芽もあります。下左の写真。尖ってます。開花直前の姿もなんともいえない。咲いちゃうと・・・これはいつも見ているエンレイソウくんですね。
北方系生態観察園内ではニリンソウくんもいっしょに咲いています。そんな姿もなかなか愛らしい。
ね、この写真は順光(じゅんこう、私の背中にお日様がいます)で撮影しました。ニリンソウくんの白とエンレイソウくんの燕脂色をいっしょに撮影するのは露出が結構難しいんです。なんとか雰囲気を出せました。
延齢草くんのすばらしいのは逆光(私の正面にお日様がいる状態)で、花(正確にはガク片ですが)を太陽の光に透かしてみると・・・全く別人に変身します。
こんなふうに・・・
上の2枚の作品・・・何か雰囲気怖くないですか(笑)。下の2枚と比べてみてください。
やっぱりこちらの方が品があって、優しい延齢草くんに見えますよね。さきほどの2枚の延齢草くんは怒っている延齢草くんだと私は思います(笑)。何が違うのかは・・・ご自分で見つけてくださいね。
さらに私の好きな延齢草くんをお見せします。
いやー良いですねえ。この色をカメラのファインダーの中で見ていると、どんどん「生きる」エネルギーが湧いてきます。なので「生命(いのち)色」と名づけました。朝9時頃までの限定色です。
ここから先の延齢草くんは、北方系生態観察園のではありません。一口に延齢草と言っても・・・本当に様々です。
下左はなんていう名前なのでしょうね。今年神居尻山で初めて見ました。下右はアオミノエンレイソウくんでしょうか・・・。昨年暑寒別岳で会いました。
さらに・・・
両方とも十勝は日高山脈の麓で会ったのですが・・・。下左はミヤマエンレイソウくん、下右は・・・花弁がピンク色・・・これもミヤマエンレイソウ???なんでしょうか・・・。まだまだ修行が足りませんね(笑)。
最後は実で締めましょう。
下左はアカミノエンレイソウくんの完熟した実。右がクロミノエンレイソウくんの完熟した実です。アオミノエンレイソウくんの実の傑作はまだ撮っていません。今年こそ・・・デス。
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